低燃費運転のコツ エコロジーでエコノミーな運転とは

運転技術
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オープンカーでのドライブ

突然ですが、皆さんエコランしていますか? 限りある化石燃料を消費して走る車にとって、切っても切り離せない環境問題。ハイブリッドカーをはじめとする、エコカーの普及により、燃費は年々低燃費化へと進歩していますが、エコカーを買っただけで満足していませんか?燃費計の数字に一喜一憂して、独りよがりの運転になっていませんか?

ここでは車単体での低燃費運転のコツから、視野を広げて車社会全体としてのエコ、そして燃費だけではない経済性(Economy)についても考えていきたいと思います。

低燃費運転のコツ

低燃費運転と一言で言っても、アイドリングストップ機能を持ったエコカーやハイブリッド車、電気自動車、様々な車に合った運転の方法がありますが、大前提として覚えておいて欲しいことがあります。

それは、ある重さのモノを同じ距離(高さ含む)移動させるのに必要なエネルギー(わかり易くこう表現します)は一定であるということ。 同じ重さの車が、同じ距離走って目的地に着いた場合、そこに着くために必要なエネルギーは同じなんです。

では何が違うのか? 車種によって、または運転する人によって、消費する燃料の量が違ってくるのは何故?

ザックリ言うと、効率が違うんです。 車のエンジンがガソリンから駆動力として得られるエネルギーは20~30%ほどと言われています。車全体としてはもっと低くなるでしょう。ここに車種の差が表れます。

一方、運転者の技術によっても差が生まれます。必要のない加減速を繰り返せば、せっかくガソリンから得たエネルギーを無駄に消費してしまいます。

自分の車の特性を知り、エネルギーを無駄にしない運転ができるように、ちょっとしたコツを書いていこうと思います。

「急」がつく操作はしない

これはどこでも言われている、当たり前のことですね。急発進、急加速、急ハンドル、急ブレーキ、燃費に関わらず車の寿命も縮めてしまいかねない操作です。

ただ、急ブレーキは不測のやむを得ない状況に陥った時は躊躇わずに踏みましょう。もちろん、そういう状況に陥らないように、周囲の状況を常に把握し、予測して運転することが大事です。

周囲の状況を把握する

よく目にする光景として、前方信号が赤になった直後にも関わらず、スピードを緩めずに、信号手前でリアが浮き上がるようなブレーキで停止する車がいます。

停止することが事前に分かっているにも関わらず、アクセルを緩めないのは無駄なエネルギーを捨てているのと同じです。

ブレーキを踏む=”エネルギーを捨てる”くらいなら、最初からその分のアクセルを踏まない=”エネルギーを発生させない”ほうがマシです。

具体的にどうすれば良いかと言えば、信号が変わるタイミングを予測することです。通い慣れた道なら信号の変わる時間もある程度わかるでしょうし、歩行者用の信号があれば、その点灯状態で車用の信号も予測できます。また、その先の混雑状況まで確認できれば、無駄な加減速をしなくて済みます。

車種に合った運転をする

車はその用途に応じ、エンジンやトランスミッション、足周りなど特性は千差万別です。ここでは大まかに、

  • ハイブリッド車
  • トルコン式(トルクコンバータ式)AT車
  • 番外編:ロータリーエンジン車

について、簡単に説明していきます。

ハイブリッド車 低燃費運転のコツ

ハイブリッド車と言っても、様々な種類がありますが、ここではモーターのみでも走行可能な車種を取り上げます。(プリウス、アクアなどですね)

基本的なことは前項に書いた通り、ハイブリッド車も例外ではありません。よく勘違いされがちですが、減速時に捨てるエネルギーを、少しばかり電力として回生しますが、多かれ少なかれ捨てることに変わりはありません。ブレーキを踏めばエネルギーが沸いて出てくるなんて魔法のようなことはないのです。

ではどのような運転がハイブリッド車に合っているでしょうか? 車全般に言えることですが、一定速で走り続けることに要するパワーは、実はそんなに大きくなくて良いのです。

抵抗が全くなければ、動いている物体はその速さでずっと動き続けるのです。ここは地球上なので、様々な抵抗があります。空気抵抗、路面との摩擦、駆動系のロスなど。それらの抵抗分だけエネルギーを与え続ければ、一定速で走り続けられるというワケ。

ここまででお解かりの方もいらっしゃるかと思いますが、一定速で走り続けるエネルギーは、モーターの力だけで十分なんです。具体的には、スタートは急発進にならない程度にアクセルを踏み、エンジンの力で目標速度まで加速します。

巡航速度になったら、一旦アクセルをオフ(足を離す)することにより、エンジンは停止します。(バッテリーが十分あれば)この時、弱めに回生ブレーキが効いている状態かと思います。回生ブレーキが効いているということは、ロスしていることと同じなので、アクセルを少し踏みます。インジケーターでチャージ側に振れるか振れないか辺りが一番効率が良いはずです。

トルコン式AT車 低燃費運転のコツ

一番普及していると思われる、トルコン式AT車についてです。ここまで読んできてお解かりかと思いますが、無駄な加減速をしない、の一言に尽きます。

AT車と言っても軽自動車から大型車まで様々ですが、今のご時世、エンジン特性やギヤ比などは殆どの場合、低燃費側に味付けされています。自分でギヤを選択する必要はないのですから、メーカーの思うまま=燃費を稼ぐように作られています。

具体的には低回転側に最大トルクが発生するようなエンジンにして、変速制御を早めに上のギヤへ上がるようにしています。そうすることで、エンジン回転数を低めに保ち、燃料消費を抑えています。アクセルの踏み方や車速、エンジン回転数、ブレーキなどによっても適切な変速制御がされますが、概ねエンジン回転数を抑えるように制御されます。

コツとしてはスムーズに目標速度まで加速し、アクセルを緩めること。こうすることで、加速状態から巡航走行へ移ったとコンピューターに認識させ、一番上のギヤへ変速させます。セレクターは極端な上り坂でない限り、Dレンジで構いません。

減速、停止する時はエンジンブレーキを活用し、十分車速が落ちてからフットブレーキで停止します。最近のAT車は、ある回転数以上でアクセルオフされた場合は、エンジンに燃料が噴射されないようになっています。そのまま回転数が下がるとエンストしてしまうので、一定回転数以下になると燃料を噴射し、エンジンを回転させます。そうなる前にセレクターでギヤを落とし回転数を上げ、燃料カットを持続させます。もちろんギヤが落ちたことで、エンジンブレーキも強く効かせることができます。

フットブレーキのほうが強く効くので、制動距離は短くて済みますが、ブレーキを踏む前までは燃料を消費して走行しているわけですから、早めにエンジンブレーキで減速に移るよりも多くの燃料を消費してしまいます。

番外編:ロータリーエンジンの場合

RE乗りは燃費の事に関しては、半ば諦めている感があります。ここでは私が普段心がけていることについて、簡単に触れておきます。

ロータリーエンジンにとって最大の敵は、エンジン内で発生するカーボンです。燃焼室の形状があまり理想的とは言えないREにおいて、ガソリンを完全燃焼させるのは至難です。どうしてもカーボンが発生しやすくなります。

さて、ガソリンを燃焼させるための、空気とガソリンの比率があります。空燃比と呼ばれています。一番効率が良い比率を、理論空燃比といい、ガソリン1に対して、空気14.7です。

車のコンピューター(ECU)は、車速やアクセル開度、回転数などの負荷から、空燃比が14.7になるように制御していますが、加速時や高回転時はその限りではありません。理論空燃比になるような走行条件を知り、なるべくその範囲で走り続けられるように心がけています。

そうすることで、エンジン自体の寿命を延ばし、車を買い替えるスパンを延ばすことも、一種のエコだと考えています。

一旦まとめ

ここまで書いてきたことは、あくまでも車単体でのエコ運転のコツでした。道路には自分以外にも多数の車が走っていますし、平坦な直線道路だけではありません。信号機があったり、入り組んだ路地があったり、渋滞が発生したりと、なかなか理想どおりの低燃費運転ができないのが実情です。

次の記事では実際の交通シーンを例に、効率の良い運転のしかた、そして自分個人から視野を広げて、周辺の車や車社会全体としてのエコロジーでエコノミーな運転とはなにか?について書いていこうと思います。