当たり前のことですが、交通ルールは日本全国共通です。
でも旅行などで県外に車で出かけると、その土地でしか通用しないようなローカルルールが存在します。(ルールというかマナーでしょうけど)
県外から来る車に比べれば、その土地に住んでいる人のほうが圧倒的に多いので、そのローカルルールがまかり通っていますが、それってすごく恥ずかしいこととは思わないんでしょうか。
全国の有名なローカルルール
はじめに、Wikipediaから全国のローカルルールと呼ばれているものを調べてみました。
名古屋走り
おもな特徴は下記の通り
- 信号無視
- 速度超過
- ウインカーを出さずに車線変更
- 車線またぎ
- 右折フェイント(注1)
- 早曲がり
- 右折中の追い越し
- 歩行者軽視
- 狭い車間距離(注2)
注1:右折レーンから追い越し、信号直前で直進車線に戻ること
注2:車間距離が1台分以上あるとすぐに割り込んでくる
私が車で名古屋に行ったとき、上記のなかで圧倒されたのは、車間が開いているとすぐにそのスペースに入り込んでくる車が多いことでした。
片側4車線以上は当たり前な都市部で、どの車線もそれなりに流れているのに、なぜかスペースが空いていればすぐに入りたがるようです。
右左折レーンに行きたいわけでもなく、スペースが空けば即侵入。先を急いでいるのかと思いきや、ずっと同一レーンを進んでいる車よりも遅くなることも多々。先の混み具合なんて把握していません。
本能的に空いているスペースに飛び込んでいるんじゃないか?と思えるくらい。きっとテトリスが好きなんだと思う。
伊予の早曲がり
基本的に名古屋走りの「早曲がり」と同じですが、成り立ちがすこし違うようです。
今のように道路状況が良くなかった時代、車道はたいてい一車線。右折車が待てば待つほど、その後ろに渋滞ができます。そこで、対向車が「どうぞ曲がって下さい」と先を促すことが多かったようです。それが次第に譲られる側が譲ってもらうことが当たり前となり悪い運転マナーになってしまったのかもしれないとか。
引用:なるほど!交通安全 第68回 危ないクルマのローカルルール(前編)
たしかに、右折レーンもないような道では、対向車線の後続車を思いやることも大切ですが、「譲ってもらうのが当たり前」という思考になってしまうのはいかがなものかと。
播磨道交法
播磨道交法(はりまどうこうほう)とは、兵庫県播州地方における道路交通マナーの悪さおよび道路交通ローカルルールを、神戸新聞社が自紙読者投稿欄の連載上で分析したうえで法律的文体でまとめ、『神戸新聞』に掲載した文章である。また、そのローカルルール自体を指す名称でもある。
Wikipedia:播磨道交法より引用
原文のままではありませんが、おもな特徴は下記
- 交差点に先に入ったほうが優先
- 右折優先
- 車が通らなければ信号無視可
- 歩行者軽視
- スペースさえあれば割り込み可
- ウインカーは曲がると同時に出す
- 歩行者にクラクションで道を空けさせる
うん、ノーマナーの極み(笑) 自分だけの先急ぎならまだしも、周りの歩行者や車にまでローカルルールを強制するという・・・怖い・・・。
松本走り
基本的には他のローカルルールとほぼ変わりません。
- 対向車お構いなしで右折
- 対向車が左折するスキを見計らって右折
- 青に変わる直前に右折
- 脇道からの右折時、左車線の車をせき止めて右折待ち
- ウインカーを出さない
- 信号が赤に変わっても前走車について右折
- 優先道路へ出る際に一時停止しない
右折関連のローカルルールが多いですね。恐らく根底にあるのは「先急ぎ運転」なんだろうと思います。
無理に右折したからといって、目的地に着く時間はそう変わらないんですけどね。
山梨ルール
最後は私の住む山梨県の「山梨ルール」です。Wikipediaにも掲載されちゃって、凄く恥ずかしいんですけど・・・。
大きくはどこのローカルルールも似たり寄ったりですが、挙げるとすればこんな感じです。
- 右折優先
- 右折レーンからの追い越し
- 歩行者軽視
- 信号無視
このなかで特にひどいのが「右折優先」「歩行者軽視」「信号無視」辺りでしょうか。
基本的に車がないと何もできない車社会ですから、横断歩道を渡る歩行者なんて多くありません。だから稀に歩行者が横断中でも止まらない。
歩行者が車に気を遣って小走りに横断する・・・なんて有様です。
信号無視も酷い。黄色信号なんて青信号と同じです。いや、黄色になったらアクセル踏み込むのでもっと質が悪い。
赤に変わってもお構いなしです。交差側が青に変わってから2秒くらいは構わず進入してきます。
山梨ルールで最も有名なのが「右折優先」というバカげたローカルルールです。
片側一車線の道は言うに及ばず、片側二車線だろうと青に変わった瞬間、ためらうことなく当たり前のように右折していきます。
恐ろしいのは、そういう運転をする人は、「ヤンチャな兄ちゃん」ばかりではなく、「普通のおじさん・おばさん・お姉さん」達なんです。
もう当然のように涼しい顔してさっさと右折していきます。見ているこちらが恥ずかしくなるくらいに・・・。
ローカルルールを目の当たりにした県外の人がどう感じるのか?
さて、わが県は主に観光に力を入れているそうです。さくらんぼや桃、ぶどうといったフルーツ狩りに、毎年多くの観光客が訪れています。
県や市の自治体、民間の中小企業も、「町興し」に注力し、たくさんの観光客に来てもらい、いっぱいお金を落としていって欲しいと思っています。
では、来ていただいた観光客が、前述のような「ローカルルール」を見てどう思うでしょうか。
私だったら、こんなマナーの悪いところ、二度と来たくないと感じます。いくら観光地が有名で魅力的でも、そこに住む人々の運転マナーが最悪だったなら、わざわざ車で行こうとは思いません。
公共の交通機関が発達していない地方で、これは致命的です。
地域の活性化をどうすればいいか?を一生懸命模索している一方で、そういう人たちの運転マナーがコレでは笑い話にもなりません。
車が必須な地方なら、他の県よりも上手に運転できるはずだし、お手本となるような運転をするべきです。思いやりのある親切な運転に触れれば、「また来ようかな?」と思っていただけるかもしれません。
「郷に入れば郷に従え」とは言いますが、それはそこに住む人々の都合であって、他県から来る人は知ったこっちゃありません。
ローカルルールという名のノーマナー運転、恥ずかしくないですか?
ちなみに、いくら我先に!と急いでも、1時間程度の道のりなら到着時刻は5分も変わりません。
参考:先急ぎ運転は百害あって一利なし!イライラ・ムカムカを抑える魔法の言葉
それでは、良きカーライフを。