危険予知・かもしれない運転って具体的にどうしたらいいの?

渋滞している高速道路 運転技術
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渋滞している高速道路

教習所や交通安全指導などで、よく耳にする言葉「危険予知」「かもしれない運転」。安全に交通の流れに乗るためには、非常に大切なことです。

でも、どんな運転をすればいいのか?どういった事に注意すればいいのか? 具体的にわかっている人って、実は少ないのではないでしょうか。

絵や動画で説明されても意味がない

はじめに。このブログ全体に言えることですが、安全運転を啓蒙したい、といった考えはありません。この手の話題はどうしても堅苦しくなりがちなので反省してはいます・・・。

車を運転する楽しさ、車の面白さ、などを伝えていければ良いと思っているのですが、楽しくあるためには、どうしても運転に対する不安などを取り除く必要があります。

必然的にこういった話題も避けては通れないわけです。小難しい話になってしまいますが、ご了承ください。

 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、見出しに戻ります。

よく、教習所や交通安全教室といった場で、

  • 「この写真にはいくつの危険が潜んでいますか?」
  • 「この場面では何に注意したらいいでしょうか?」

というようなことを、画像や動画を交えて解説されたりしますが、これらは全く意味がありません。

なぜだかわかりますか?

危険箇所を何か所探せたかは重要ではない

  • 歩行者が急に飛び出してくるかもしれない
  • 車列の影から人や自転車が飛び出してくるかもしれない
  • 対向車が急に曲がってくるかもしれない

正解がない問題を、教官や指導員は「ほかに何かありますか?」と、何回も何回も答えを絞り出させます。

話を聞く側は、出し尽くされた回答以外に、何かないか?と画像の隅々まで見渡し、挙句、万が一にも起こりえないようなことまで回答してしまいます。

正直こんなものは、実際の交通・運転にとって役立つことはありません。

極論、「隕石が降ってくるかもしれないから徐行します」と言っているようなものです。

重要なのは危険箇所をいくつ指摘できたか?ではなく、より重要な差し迫った危険を即座に指摘できたか?です。

画像や動画よりも人間の視野は広い

静止画やドライブレコーダーの動画と比べて、人間の視野は非常に広いです。注視できるのは一点でも、見えている範囲は画像や動画の比ではありません。

危険は得てして、人間の注視できる範囲外からやってきます。

視野の片隅に映った危険因子を、素早く危険だと判別・認識できる能力のほうが重要なのです。

考えている時間はない

画像や動画を眺めて、間違い探しのように危険箇所を探し出せたとしても、実際の運転では手遅れです。

時速40km/hで走行中の車は、1秒後には11メートルも先に進んでいます。50km/hなら14メートルも。

絶え間なく動き続ける状況では、悠長に危険箇所を探している時間はありません。

もちろん、「こういうところに危険が潜んでいますよ」という知識として覚えておくことは無駄ではありませんが。

具体的な危険予知とは

様々な交通状況において、これだ!という正解はないのですが、無駄なく、より確実に危険を予知できるようなポイントをいくつか挙げてみます。

基本中の基本 数台前の車まで見る

スムーズな運転にもつながってくることですが、直前の車しか見ていない(直前しか見えない車間距離)場合、相当な車間距離を空けていないと、不意の急停車のときにブレーキが間に合いません。

前の車のウインドウ越しや緩やかなカーブなどで、何台も前の車の車間や動きを把握しておきましょう。

車間距離をやや広めにとれば、格段に前方の状況が把握しやすくなります。

ドライバーの顔を見る

コンビニや店舗などの駐車場や脇道から、本線に合流しようとしている車がいたとします。

かもしれない運転に当てはめれば、「急に飛び出してくるかもしれない」となるわけですが、そんな不注意なドライバーはそう多くはありません。

そういったドライバーをどこで判別するのか? 答えは顔を見ればわかります。

しっかりこちらを見ていれば、好き好んで飛び出してくる人なんていません。 顔の向きが判別できないような距離であれば、危険もなく合流していくでしょうし。

  • 車がゆるゆる進んでいる
  • こっちを見ていない

こういったドライバーはほぼ飛び出してくると思っておいたほうが良いです。本当にノールックで来ます。

夜間であれば顔はなかなか見えないので、車が停止しているのか動いているのか、に注意しましょう。

歩行者や自転車の進行方向に注意

教習所などにある、ドライブシミュレータでは、ほぼ確実に飛び出してくる歩行者や自転車ですが、実際に通行していて不意に飛び出してくることはまずありません。

飛び出しやふらつきには、必ず理由があります。

片側1車線の路肩を通行している自転車を、なかなか追い抜けなくて苦労している車をよく見かけますが、センターラインギリギリを、スピード抑え気味にさっさと追い越していったほうが安全です。

「急に車道に飛び出してくるかもしれない」

そう考えて、対向車が途切れるまで自転車の後ろにぴったりとついて行っているのかもしれませんが、殆どの車は不意に自転車が飛び出してきても、避けられない距離で追走しています。

自転車が飛び出しやふらつくのは、進行方向に障害物や歩行者・自動車など、障害になるものがあるから飛び出してくるのです。

進行方向に何もない、平坦な直線道路では、そういった可能性はかなり低くなります。

歩行者や自転車がいる=(イコール)飛び出してくるかもしれない

と考えるのではなく、その先の状況を見て危険を判断しましょう。

また、二人で会話をしながら並走している・・・だとか、キョロキョロと周囲を見回している・・・といった行動にも注意を払いましょう。

余所見をしている自転車などは、不意に飛び出してくる可能性が高いです。

流れている車列は比較的安全

ほぼ等間隔でスムーズに流れている車列の中にいるときは、比較的安全です。対向車線も普通に流れていれば、何も気にすることはないでしょう。

ただ、対向車線が渋滞などで停止している場合は、停止している車の影からの飛び出しが懸念されます。

停止している車列に、不自然に空いているスペースがあれば、脇道から出てくる車に道を譲っているのかもしれません。

そういったところは、車が出てくるかもしれない、と思っておいたほうが良いです。

譲ってもらった側からすれば、早く通過しなければ・・・と、安全確認もおろそかに急に飛び出してきます。いわゆる「サンキュー事故」です。

まとめ

危険予知や「かもしれない運転」は大事ですが、何から何まで「かもしれない」と思っていては、本当に危険な状況を見逃してしまうかもしれません。

ポイントは、車からみた危険源の立場にたってみることです。

  • 路肩を走行している自転車は何を考えて走っているのか?
  • 脇道から本線に合流しようとしているドライバーは、どう感じているのか?

理由もなく車に当たりに来る歩行者なんていません。飛び出してくる状況か否かを的確に判断して、適切な安全行動がとれるように心掛けたいものです。

それでは、良きカーライフを。