運転技術上達への道~上級編~交通の流れを整える運転術

車と街並み 運転技術
スポンサーリンク

車と街並み

4回に分けて書いてきました運転技術上達への道。今回はいよいよ上級編です。上級といっても、ジムカーナ場でドリフトしたり、サーキットでコンマ何秒を競ったり、といったことではなく、あくまでも一般道を上手に走ることを目的としています。

それでは、どういった運転ができれば「上手」なのか見ていきましょう。

それぞれの記事へのリンクです。

同乗者に何も感じさせない運転

準備編でも書きましたが、同乗者に「この人、運転上手だな」と思わせるのは、まだ中級です。同乗者が運転に興味がなければ何も感じないかもしれませんが、同じ車を運転する者として、自分と比較したとき、「上手だな」とか「下手だな」という感想を持つことでしょう。

同乗者が知り合いだったり、何度も乗り慣れていれば、信頼感も生まれ、何も感じないかもしれません。ここでは初めて自分の運転する車に乗る人に、恐怖感・不快感・不安感などを与えず、全幅の信頼を寄せられ、安心して乗っていられるようになりましょう。

出発するときは一言添えて

助手席に乗せる場合、シートは若干寝かせ気味が良いです。最徐行からブレーキを踏み込むだけでも、頭が「カックン」となることがあります。シートを寝かせ気味にすることで、そういうミスを和らげることができます。

動き出す際は「出発します」など、一言添えると、同乗者は心の準備ができて安心するものです。

適切な車間距離を保って

中級編で書きましたが、人間はGの変化に敏感で、不快感を感じます。Gの変化点のない、角の取れたシームレスな運転をすることは必須です。

他に同乗者を不安にさせる要因として、同乗者が普段から慣れている車間距離と、運転者(貴方)の車間距離とが乖離している(特に近すぎた場合)と、不安を覚えます。

逆に離れすぎていると、後方の流れを妨げていないか?と気にしてしまいます。車間を若干広めにとり、且つ前の車と同じような速度で走行することを心がけましょう。

車の動きを伝える

どんなに角の取れた運転ができても、同乗者が予測できない車の挙動は、不安に繋がります。信号の手前やカーブへの進入時、同乗者が普段ブレーキをかけるタイミングと、運転者のタイミングは全く同じではありません。「この人、ちゃんと停まるのかな?」「しっかり前を見てるのかな?」と、同乗者は不安になってしまいます。

早めに定速走行から緩やかに減速していくことで、停まる、或いは減速するという意思を同乗者に感じさせることができ、安心感に繋がります。

感情は伝わる

運転者がイライラしていたり、焦っていたりすると、たとえ言葉に出さなくても、表情や雰囲気から、同乗者に伝わります。操作も雑になりがちで、周囲の車から見ても、「近寄り難い」車に見えていることでしょう。

また、初めての道などを走行中、自信無さげになってしまう事も、同乗者に不安を与えます。片側4車線以上の広い道や、分岐が複雑な首都高速などは戸惑いますが、どんな道でも交通標識は共通ですので、自信を持って(時にはハッタリでも)運転することが大切です。

周りの車をコントロールする

本当に上手な運転とは、自分だけがスムーズに走れれば良いというわけにはいきません。ギクシャクした車の流れを、自車をきっかけにスムーズな流れに変えてこそ、上手な運転と言えるのではないでしょうか。

初心者からお年寄り、ゆっくり走る人もいればスピードを出しすぎる人もいる、様々な車が走っている流れの中で、他車をコントロールすることは、非常に難しいことです。前後数台の車の動きを常に把握して、先の交通状況を読み、自車を前後の車の緩衝材となるような運転をすれば、自然と後方の流れはスムーズになっていきます。

自分の(車の)限界を知る

本当は初心者や中級者のうちに、自分の運転する車の限界を知っていただきたいのですが、初心者のうちは、車の限界よりも運転者のコントロールできる限界のほうが低いことが多いので、総合的な限界を知るには、ある程度車の運転に慣れてからのほうが良いです。

なぜ、限界を知る必要があるの?

公道で限界走行なんて滅多に・・・というか、絶対にしません。では何故、限界を知る必要があるのでしょう?

道路には不測の事態が起こる可能性が無数にあります。物陰から小動物が飛び出してきたり、全走車がパニックブレーキを踏んだり、周囲の確認もせずに急に割り込んできたり。そういった危険源を事前に察知・予測することも大事ですが、予測不能の事態もあります。

そういった時に危険を回避できるか否かは、車と運転者の総合的な限界能力になります。その限界を知っていれば、常にマージンをもって走行することができるのです。

どうやって限界を知るのか?

一般公道で車の限界を知ることはできません。(危険なのでやってはいけません)少々お金はかかりますが、富士スピードウェイやツインリンク茂木などのサーキットでは、一般車でサーキットのコースを走行することができる催しを開催しています。また、自動車メーカーが主催するドライビングレッスンなどに参加しても良いでしょう。

車の運転には、大きく3つの要素があります。

  • 走る
  • 曲がる
  • 止まる

それぞれの確認方法を簡単にまとめてみます。

走る(最高速度)

ストレートの長いサーキットでアクセルを踏むだけです。大抵はスピードリミッターがかかるか、非力なエンジンであれば、そこまで出ないでしょう。それ以前に、運転者が「怖い」と感じた速度が限界となります。ストレートの後には必ずコーナーがありますので、コースから飛び出さないようにしっかり減速してください。(あくまでも自己責任です)

曲がる

サーキットには様々なコーナーがあります。どんなスピードでどれだけ急旋回できるのか、知ることができます。横滑り防止装置が付いているFR車であれば、タイヤが滑り出す瞬間を、防止装置が作動する前に察知できるようになりましょう。

そういった装置が付いていなくても、タイヤがズルズルと滑り出し、外側に膨らんでいく感覚を身につけてください。

重心が高く、横転する可能性がある車の場合は無理は禁物です。しつこいようですが、自己責任でお願いします。

止まる

たとえサーキットと言っても、自分ひとりだけで走行しているわけではありませんので、制動の限界は別の場所でやります。ドライビングレッスンに参加するのも良いですし、交通量の殆どない道でもいいかもしれません。必ず周囲に車がいないか確認しましょう。

30km/h~40km/h程度で構いませんので、どの程度強く踏み込めばABSが作動するのか、確認してください。乾いた路面、濡れた路面、可能であれば雪道でも。

相対速度と相対加速度

細い脇道から流れの速い本線へ出る時や、店舗の駐車場から本線へ出る時など、本線を走る車の流れが速いと、なかなか出られなかったり、無理に出て後方の車に無駄なブレーキをかけさせてしまったりすることがあります。

こちらは停止しているわけですから、相対速度はその本線の流れの速さということになります。速い車もいれば、遅い車もいますが、後方から走行してくる車の速度がどれ程なのかを、瞬時に把握することが大事です。

一概には言えませんが、車種によってもスピードを出している車、遅い車などが、経験から推測できれば、判断も早くなります。

相対加速度とは、例えば前を走行している車と自分の車との、加速度の差です。自分が一定速度で走行していて、全走車が徐々に離れていくのであれば、全走車が加速しているということですし、徐々に車間が詰まるのであれば、減速(加速度がマイナス)していることになります。

ここで身につけたいのは、他車がどんなスピードで走行しているかを、できるだけ早く把握することと、周囲の車と自車との加速度の変化をいち早く察知して、交通の流れを読み、乱さない運転をすることです。

まとめ

いかがだったでしょうか? なかなか難しいですよね。同乗者に不快な思いを与えず、周囲の流れに溶け込みつつも、流れをスムーズにしていく。

流れがスムーズになれば無駄なエネルギーを消費することもなく、且つ安全に走行できるようになっていくのではないでしょうか。

それでは、良きカーライフを。