相次ぐ不正問題。今後、自動車メーカーが生き残るために必要なこと

      2016/06/18

ミニカー

近年、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題や、最近では三菱自動車の燃費不正問題など、自動車メーカーの大きな不祥事が明るみに出ています。こういった不正が発覚すると、巨額な制裁金が課せられたり、今まで築き上げてきた信頼が一気に崩れ去ったりと、会社の存続さえ危ぶまれる状況に陥ってしまいます。そんなリスクがありながら、なぜ自動車メーカーは不正に手を染めるのでしょうか?

ここでは、自動車メーカーが今後、生き残っていくために一番大事なことについて考えていこうと思います。

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売れなければ生き残れない

どんな商売でも言えることですが、売れなければ商売として成り立ちません。自動車も例外ではありません。売れる車と一言で言っても様々な要素がありますが、近年では地球環境に配慮した車であることが求められていて、基準を満たしていない車は販売できなかったり、燃費が良い車は税制面で優遇されたりします。

消費者は車に求めるモノは違うとはいえ、少しでも安いに越したことはないわけで、税制面でもランニングコストでも有利な低燃費車のニーズは自然と高まっています。ニーズが高いと、そこには競争が生まれ、ガソリン1リッターあたり、1kmでも長く走れる車の開発が激化するのは自然な流れとも言えます。

とはいえ、各社とも限界はあるわけで、低燃費競争についていけないメーカーも現れてきます。そうなると不正をするという選択にでるメーカーも出てくるでしょう。

不正の代償

不正が明るみに出た場合、企業としての信頼を失うばかりか、多額な制裁金が課せられたりします。フォルクスワーゲンの場合は2兆円を超えるとも言われていますし、三菱自動車は日産の傘下になってしまいました。

メディアに報じられていないところでも、下請け・孫請けにまで影響が出ていて、従業員の生活すら脅かしているでしょう。企業の不誠実な対応は、企業そのものの存続まで脅かすことになるのです。

別の角度から戦っているメーカーも

競争が激しい低燃費車、その戦場に別角度から切り込んでいるメーカーもあります。マツダは燃費を良くすることにはこだわらず、理想の(究極の)内燃機関を目指して既存の設計を根本から見直しました。

エンジンの効率を高めれば、自然と燃費は良くなります。燃費という数字にとらわれずに、「良いモノを作る」ことに徹底的にこだわって、長い年月を経て、やっと実を結ぼうとしています。

フォルクスワーゲンの排ガス不正問題で、一時期評価を下げたクリーンディーゼルも、マツダは他社とは根本から異なっているため、問題になりませんでした。

ディーゼルは高い圧縮比が必要なエンジン。そのため有害な窒素酸化物(NOx)が発生するもの。その有害物質をどう処理するか。各自動車メーカーはここにとらわれていましたが、マツダは違った角度からこの課題に切れ込んでいきました。

有害物質を発生させなければ良い。

ディーゼルエンジンは高い圧縮比が必要という、今までの既成概念を覆し、世界一「低圧縮」なディーゼルエンジンを作り上げてしまいました。窒素酸化物の発生を抑えたおかげで、排ガス処理装置も不要になり、そもそも不正のしようがないのです。

日本国内で実走行による排ガス試験においても、基準値をクリアしたのはマツダのクリーンディーゼル車だけという結果も出ています。

ものづくりの魂

設計に精神論は不要ですし、持ち出したくもないですが、マツダのこうした姿勢には、「ものづくり」に対する情熱や魂(スピリッツ)を感じずにはいられません。目先の目標にとらわれず、実直に難題を克服する姿勢は、分野は違えど同じエンジニアとして、大いに見習いたいところです。

自動車業界に限らず、どんな企業も楽をして結果が出るのなら、それに越したことはありませんが、そんなことは決してありえません。実を結ぶのに多大な時間がかかっても、真面目に取り組んでこそ大きな成果を得られるということを、マツダは証明してみせてくれました。

どんな時代でもどんな業界でも、真面目で実直な姿勢が、いずれ必ず評価される時がくるでしょう。自動車メーカー(に限らずですが)が生き残っていくには、巨大な販売力でも最先端の技術力でもなく、根本は「信頼できる企業」であることではないでしょうか。

三菱自動車、10万円補償 2016/6/18追記

三菱の燃費不正問題で、データを改ざんした軽自動車4車種に、おわびとガソリン代の差分として、10万円を、普通車5車種に3万円を補償するとのことです。以下、対象車種

軽自動車

  • eKワゴン
  • eKスペース
  • デイズ(日産向け)
  • デイズルークス(日産向け)

普通車

  • パジェロ(ガソリン、ディーゼル)
  • 旧型アウトランダー
  • ギャランフォルティス(スポーツバック含む)
  • コルト(コルトプラス含む)
  • RVR

総額は650億円にのぼるとされています。生産は来月に再開見込みとのことですが、失った信頼を取り戻すには時間がかかるでしょう。部品を生産している、下請け・孫請けにとっては、一歩前進したニュースかと思います。

繰り返しになりますが、消費者に対してだけでなく、車作り・ものづくりに対して、真面目に誠実に取り組んでいれば、こんな巨額な補償もせずに済んだのに・・・と残念でなりません。

それでは、良きカーライフを。

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