これから夏休み、そして行楽シーズンへと、車で遠方へお出かけする機会も増えてきます。そこで問題となってくるのが、車酔い。個人の体質によるところも大きいかと思いますが、車酔いしやすい人も多いかと思います。
ここでは、車酔いの原因と、その対策について書いていこうと思います。
車酔いの原因
個人の体質にもよりますが、車酔いの原因として、大きく3つに分けられます。それぞれ見ていきましょう。
1.車内の臭い
車の中は様々な臭いでいっぱいです。タバコをはじめとした、嫌な臭いや、食べ物、雑菌・カビなどの臭い、それに自分に合ってない芳香剤も車酔いの原因です。
2.急激なG(加速度)の変化
これは三半規管が弱い方に多いです。身体の平衡感覚をつかさどるのは、三半規管と目に見えるもの、それと身体で感じる動き、これらからの情報を脳で統合しています。
三半規管が弱いと、これらの調和がとれなくなり、めまい・吐き気などの車酔いの症状を引き起こします。
急発進、急加速、急ブレーキや急ハンドルなど、急なGの変化は、平衡感覚を失わせやすく、三半規管の弱い人にとっては耐え難いものがあります。
また、三半規管が弱い人は、車の中で本を読んだり、下を向いたりするだけで車酔いします。
3.臓器が揺らされる
これは絶叫マシーンに乗ったときなどに体感することができます。上下左右前後、あらゆる方向へ高速で動かされると、内臓が揺らされます。短時間なら平気ですが、この状態が続くと吐き気などをもよおします。
車で言うと、峠道などをある程度のスピードで走行していると、カーブのたびに内臓が左右に揺らされます。しかも不規則・不定期に揺らされるため、弱い人だとすぐに酔ってしまいます。
対策
それでは一つ一つ、対策を見ていきましょう。
車内の臭い
車の中はある程度密閉された空間です。臭いは籠もりやすく、エアコンの気流により循環してしまいます。
まず第一に、嫌な臭いを発生させないことが大切です。以前の記事を参考に、車内を消臭しましょう。
参考:車内の嫌な臭いをとる方法
そうは言っても、車内でおやつや食事をとることもありますし、人が乗っていれば臭いも発生します。そういう場合は、窓を開け、積極的に換気しましょう。
窓は前席を開けるよりも、後ろの席の窓を開けたほうが、風が直接当たらずに換気できます。すぐにでも換気したい!といった場合は、対角の窓を開けましょう。
右前(運転席側)を開けたら、助手席側の後方を開ける・・・といった具合です。一瞬で車内を風が通り抜けますので、大事なものが飛ばされないように気をつけてください。
喫煙者の方は、パーキングエリアなどで休憩するまで、喫煙を我慢するなどの配慮も大切です。
急激なGの変化
これは運転者の技術によるところが大きいかと思いますが、俗に言う「カックンブレーキ」などが、車酔いの大きな原因の一つです。運転者は自分が操作しているわけですから、加速する時、減速する時、あらかじめ態勢も整えられますし、気持ちの準備もできています。
しかし同乗者は不意にくる加減速により、頭が前後に揺さぶられます。左右の揺れよりも前後の揺れのほうが不快で、前後に限れば、前のめりになるほうが不快です。これは、加速時などでは、シートのヘッドレストで頭部がサポートされているためです。
減速時はシートベルトのみになりますので、身体の一番重い部分=頭がググッと前のめりになってしまいます。これが連続すると、三半規管の弱い人はひとたまりもありません。
とはいえ、動いている車を止めるにはブレーキをかけますし、止っている車を動かすにはアクセルを踏まなければなりません。ではどうするのか?
実は人間は加減速に不快感を覚えるのではなく、加速や減速の変化点に敏感なのです。停止から加速に移る瞬間、加速から一定速になる瞬間、一定速から減速に移る瞬間、そして停止する瞬間。
これらの変化点を継ぎ目なくしてあげることで、不快なGの変化を和らげることができます。
一人で運転している時でも、常に同乗者がいることを想定して、丁寧な操作を練習しておきたいものです。
三半規管の弱い人にとって、車の進行方向に対して、横向きや後ろ向き、下向きは良くありません。目から入る情報と、三半規管の情報とを、少しでも整合させるように、前方の遠くを見ていると良いでしょう。
臓器が揺らされる
これの対策としては、内蔵が揺らされるほどのスピードを出してカーブを曲がらなければいいだけの話です。カーブ手前までに減速を終えておく・・・という運転の基本的な考え方です。
でも、峠道などのつづら折の道を、リズム良く右へ左へ・・・とドライブを楽しんでいると、ついついスピードも出てしまいがちです。(私だけかもしれませんが)
お恥かしい話ですが、娘を乗せて山道をドライブしていた時のこと。攻め込んだりドリフトしたりといったことはないのですが、新緑の中、曲がりくねった道を楽しく走行していました。
ふもとまで下りたところで、胸のあたりがムカムカと気持ち悪くなってしまいました。内臓が右へ左へと動き回る感覚がしばらく消えませんでした。
娘はというと、全然平気でケロッとしていました。
最終手段・・・寝る!
ここまで、車酔いの原因と対策を考えてきましたが、最後に、一番手っ取り早く確実な対策があります。
それが、寝ること。
運転者じゃないですよ? 同乗者のことです。シートを倒しすぎずに45度くらいまで倒し、寝ます。シートを倒しすぎても頭の平衡感覚が失われやすくなりますので、程々に。
シートを倒すことで、頭の前後の揺れを軽減します。睡眠は身体の余分な機能を停止させますので、酔うこともなくなるでしょう。
ドライバーは同乗者を起こさないような、丁寧な運転を心がけます。但し、話し相手がいなくなると、睡魔に襲われやすくなりますので、少しでも眠気を感じたら、すぐに休憩をとることが大切です。
車に酔わない・酔わせない運転を心がけ、ドライブを楽しんでください。
それでは、良きカーライフを。