マツダの新しい挑戦「人馬一体」。マツダのクルマ作りとはどういったものなのか。
先日、展示会・試乗会とともに開催された、人馬一体アカデミーを受講してきました。およそ2時間ほどの限られた時間でしたが、非常に濃い内容で満足でした。
今日はそんなお話です。
人馬一体とは?
講習は1時間弱のスライドに沿った座学と、Gベクタリングコントロール(以下GVC)搭載のアテンザ試乗による、走行体験でした。
まずはマツダの中の人(すみません、お名前忘れました)による講習から。
ドライバー第一
マツダの基本的なクルマ作りは、一貫して「ドライバー第一」であることが強調されていました。
ドライバーの、車を操る楽しさ、歓び、そういったものを犠牲にするような開発は行わない!
ドライバーが自分の手足のように車を操り、それによって気持ち良く「もっと遠くへ行きたい」と思わせるような車を作り続ける・・・と明言されていました。
機械である「車」と「人」が心を通わせることにより、信頼感が生まれ、その信頼感は大切な家族・友人・恋人と一緒に歓びあう時間を作り上げる。
これは、古来より、「馬」と「人」の関係と同じであると説明されていました。
何も感じないことが一番怖い
機械である車と人が心を通わせるとは、一体どういうことなのか? 講師の方は、ハンマーと包丁を例に挙げて説明されました。
どんなに強く打っても、何の反応も感じないハンマー。これで安心して釘が打てますか?
豆腐も大根も同じ感覚で切れる包丁。これで手に乗せた豆腐を切ることができますか?
クルマも同じで、「何も感じないことが一番怖い」のです。
ドライバーの操作に対して、思った通りの反応を返す。これがマツダが目指す「人馬一体」であり、自分の手足のように車を操ることができる歓びと、安心感に繋がっていくのだと思います。
ですが、言うのは簡単でも、それを実現するのは、非常に難しいことです。人によって感じ方は様々。すべてのドライバーにそれを実感させるのは、並大抵の苦労ではなかったことでしょう。
安全への取り組み方
誰もが車を自分の意のままに操れるようになれば、交通事故も減るでしょう。一見、関係ないことのように感じるかもしれません。
しかし、人間が日常生活で、自分の身体を頻繁に障害物にぶつけないのと同じで、車も自分の身体の一部のように扱うことができれば、接触事故なども減るのではないでしょうか。
もちろん、人間という生き物は必ずミスをします。でも、自分の好きなことをしている時の集中力は物凄いものがあります。
車の運転が好きになる・・・そんな車を作り上げれば、自然と事故は減ってくる。マツダの安全への思想は恐らくコレだと感じました。
他社が、「ミスをする人間」から、ミスしないように運転操作を取り上げる(排除する)向きに向かっている中、マツダは全く違った方向、そう、ドライバーのほうを見続けています。
スカイアクティブにしろG-ベクタリングコントロールにしろ、すべてがドライバー中心であり、ドライバーありきなんですね。
中締め
長くなってきました。 ここから「人馬一体」を実現する技術、G-ベクタリングコントロールの説明と実体験走行へと移っていくわけですが、なかなか濃い内容なうえ、あらぬ方向へ発散しそうなので、申し訳ございませんが次回に続きます。
マツダの思想はいつまでもドライバー中心「Be a driver.」なんですね。かつてはマツダ地獄と散々の言われようでしたが、今では良い意味で「だからマツダはやめられない!」と、声を大にして言いたいですね。
続編:地味だけど凄いかも!?マツダG-ベクタリングコントロールのココが凄い!
それでは、良きカーライフを。