出典:TOYOTAパッソ
GW序盤に高速道路で飛び石を喰らい、修理の間の代車が新型パッソでした。妻用の車ですが、運転が嫌いな妻なので私が職場への送迎のため運転した2日間の感想を書きたいと思います。
代車のグレードは「X”L package・S”」
妻のパッソもすでに10年ほど乗っているので、ディーラーの方もそろそろ買い替え候補として、同じパッソを代車に出してくれたんだと思います。
しかしその思惑も、私が運転することで全て水の泡となってしまいましたね・・・(笑) それを見越して「86」辺りを代車にするくらいのしたたかさが必要だったかもしれません。
横道に逸れました。それでは簡単にプチ試乗記いってみましょう。
外観(エクステリア)
プリウス、アクア、ヴィッツなどでよく見慣れている、「トヨタ顔」ではありません。2代前くらいからの面影を残しつつ、可愛らしく仕上げた印象ですが、この価格帯のコンパクトカーゆえ、それほど凝った造形や特徴的な外観ではありません。
リアドアとハッチの間には樹脂製のワンポイントがありますが、これはちょっと逆効果ですね・・・非常に安っぽい。 板金でそのままのラインではいけなかったのでしょうか?
あと、可愛さで選ぶなら「X」ではなく「MODA」のほうをおすすめします。高いですけどね・・・。
外観は人それぞれ好みがありますので、この辺にしておきます。
出典:TOYOTAパッソ
内装(インテリア)
この価格帯なのでしょうがない部分も多々あると思いますが、パネル類はほとんどプラスチック(樹脂製)です。最近の車では珍しくないかと思いますが。
樹脂が悪いというわけではなく、なんでもかんでも樹脂にすればいいというものではないと思うんですよね。
外装は運転している時はほぼ見えませんが、内装は常にドライバーや同乗者が触れるものです。
樹脂成型しっぱなしよりも塗装やワンポイントで革を使ったりと、もう少し工夫のしようがあったのではないかと思います。
内装の創り込みは圧倒的にマツダ デミオに軍配が上がりますね。昔はマツダの内装は貧乏くさいと言われたものですが・・・。
シートはベンチシートとなっていて広々使えます。ただ体のホールド感は皆無です。一見すると広々と楽に座れる印象ですが、運転するとなると逆に疲れます。
近場の買い物にしか使わない方だったり、車中泊にはいいのかもしれませんが。
走行性能
このクラスに走行性能を求めるのも酷なので、運転していて気付いたこと全般について触れていこうと思います。
最初に結論を申し上げますと、「自分の思い通りにならない度Max」でしょうか。 もうこの一言に尽きます。
ウインカー
方向指示器のレバー操作にクセがあります。最近の車はみんなこんな感じなんでしょうか?
ウインカーのレバーには2段階あって、車線変更などを行う際には軽めにレバーを倒し、離すと2~3回点滅して消えます。 右左折時は強めにレバーを倒し、右左折が終わった段階で消えます。
違和感があるのは、どちらも手を離すと元の位置に戻ること。従来のレバーは倒すとそこで保持され、ある程度ハンドルをきって戻すとレバーも戻りますが、このレバーは「グンニャリ」とした感触が2段階あり、手(指)を離すとすぐに元の位置に戻ってしまうのです。
慣れなのかもしれませんが、いつものつもりで車線変更するとウインカーが点滅しっぱなしということも起こります。
こうまでして得られるメリットって一体なんだろう? そんな感想を抱かせるウインカーレバーです。
アイドリングストップ
もはやエコカーには当たり前となったアイドリングストップですが、これにも今までのアイドリングストップとは一味違ったクセがあります。
信号などで停止した際、少しでもブレーキを緩めるとエンジンが始動してしまいます。もちろん、始動に必要な電力があっても・・・です。
停止したときのブレーキ踏力から、親指を少し動かしただけでエンジン再始動します。(大袈裟じゃなく)
私はアイドリングストップ機能自体が好きではありません。燃費を少しでも良く「見せよう」とするために必要な機能であって、ドライバーにとっては不快感しか与えないからです。
ハイブリッドカーのそれとは違い、かかっては止まりかかっては止まりを繰り返すこの機能、本当に無駄機能です。キャンセルボタンを付けるくらいなら、最初から付けなければいいのに・・・と思います。
そうなるとカタログ燃費が悪く見えて、売れなくなるんでしょうね。ホント、作るほうもアレですが、買うほうも盲目的すぎます。
で、このアイドリングストップ、エンジン始動から動き出すまでにワンテンポどころかツーテンポくらい遅いです。せっかくCVTで変速ショックが皆無なのに、エンジン始動から動き出しまでに相当のショック(揺れ)があります。
もう本当にこの無駄機能、なんとかしてほしい。
エンジン音
遮音性が高いという話をネット上でチラホラ見かけますが、とんでもない! それほどアクセルを踏み込んでいなくても、大きなエンジン音が容赦なく室内に響きます。
もちろん個人差はあるでしょうけど、排気量1リッターのエンジンは余力がなく、かなり振り絞っている感じがします。 これならロータリーエンジンのほうがよほど静かに回ります。
高速道路ではロードノイズとエンジン音で会話もままならないのが容易に想像できます。
1.5リッターとは言わないから、せめて1.3リッターくらいは欲しい。率直な感想です。
車線逸脱警報機能
作動条件であっても警報が鳴らないときが多々あります。逆に車線にそんなに近づいていなくても鳴る場合もあり、この機能を信頼することはかえって危険に思えます。
作動条件:約60km/h以上で走行中、単眼カメラが車線を検知している場合。
引用元:TOYOTAパッソ 安全装備
イチイチうるさいからと、機能をキャンセルする方も多いと思います。万が一のときに助けにならない機能なんて、最初からつけなければいいのに。
保険やら安全基準やらの絡みでしょうか。
まったく効かないエンジンブレーキ
アクセルオフでエンジンブレーキがかかってほしい場面でも、まったく減速しません。セレクターを「D」から「S」に落としてやっと普通のATの「D」レンジと同等くらいの効きです。
気持ち勾配がついているかな?程度のほぼ平坦な道でも、アクセルを離しただけでは等速か、ヘタするとスピードが増していきます。 MT車でニュートラルで空走している感覚で非常に怖いです。
CVTなので変速ショックはまったくと言っていいほどありませんが、CVTやATに慣れていない人(ほとんどいないと思いますが)は、この「思い通りにならない感」がすごく気になることでしょう。
加速時でもエンジンは頑張って回っている音はしますが、アクセルワークに対して「これでもか!」というほど不感です。逆に言えば、オンオフ運転のような雑な踏み方でも、加減速Gは感じにくく、誰が運転してもそれなりに快適に感じられることでしょう。
まとめ
最初にも書きましたが、これほどまでに自分の思い通りにならない車は初めてでした。
この感想はただ私個人に合わないというだけなので、良い・悪い・・・という次元の話ではないことをご理解ください。
恐らくプロのドライバーと運転に自信のないおばさん、どちらの運転も、街中を走るぶんには大差ない・・・と同乗者は感じると思います。そんな車です。
ペダル操作の荒いウチの妻には合っている車かもしれません。(まんまと術中にはまっている)
それでは、良きカーライフを。