勝つのはどっちだ!?高速道路最速王決定戦!

昼の高速道路 コラム
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昼の高速道路

気持ちよく高速道路をドライブ中、遥か後方から猛然と迫る白い影。車体には企業のロゴが貼られている。スポンサーだろうか?あっという間に抜き去られ、視界から消えていった。しばらくすると、また同じような車が、さっきと同じようなスピードで駆け抜けていく。車種は違うが形はよく似ていた。共通するポイントは形だけではない。社名は違うが、車体には企業のロゴが貼られている点も共通している。

あれは一体・・・? 秘密裏に行われている、企業同士の高速道路最速の座を賭けた戦いだろうか?

その名はプロボックスとADバン

※注)この記事には最大限の皮肉が込められています。また各所にフィクションが散りばめられています。

 

あまりのスピードに目を疑った。追い越し車線を猛スピードで駆け抜けていったのは、フェラーリでもポルシェでもランボルギーニでもなく、国産の普通のバンだった。プロボックス・・・。そしてもう一台、あとを追うように爆走してきた車も、なんの変哲も無い普通のバンだった。リアには「AD」というステッカーが貼られていた。

あんな車であれだけのスピードが出せるなんて・・・きっと凄腕のレーシングドライバーが操っているに違いない。私は無意識のうちに後を追った。アップダウンの激しい曲がりくねった山間の高速道路を、スイスイといとも簡単に走りぬけていく。スポーツカーでさえついていくのがやっとだ。

途中、走行車線の遅い大型トラックを、観光バスが追い越し車線からオーバーテイクする場面に出くわした。大型車両同士ゆえ、なかなか追い越して元の車線に戻れない。そこにプロドライバーの操るプロボックスとADバンが追いついてしまったのだ。大型車両が横並びで併走し、前の道路状況など全くわからない。そんな状況の中、観光バスの後ろにピッタリとつく二台。車間は1車身も空いていない。通常の神経ではあんな芸当できない。狂ってる!

ようやく観光バスが走行車線に戻った次の瞬間、猛然と加速して抜き去っていく二台。走行車線が空いているにも関わらず、常に追い越し車線を走行し続けた。上り坂に差し掛かり、登坂車線が加わると、3車線を目いっぱい使い、次々と車を追い越していく。

さすがはレース慣れしたドライバーだ。躊躇いなく空いたスペースに飛び込み、車線を縫うように駆け抜けていった。あまりの狂気に満ちた運転を目の当たりにし、私は疲弊し追うのをやめた。

~END~

何故社有車・営業車はカッ飛ばすのか

高速道路を走行中、必ずと言っていいほど遭遇する、制限速度を遥かに超えたスピードで爆走する車。特に平日の昼間に多いのが、プロボックス(トヨタ)とADバン(日産)です。 そう、社有車・営業車によく採用されている車種ですね。最近では燃費性能からプリウスやアクアに押され気味の社有車ですが、積載量の多さから、まだまだ現役で数多く走っています。

そもそも、何故あんなにカッ飛ばす必要があるのでしょうか? 一秒を争うビジネスマンだからでしょうか? 一説には、上記2車種は荷物を載せることを想定し、ボディ剛性が高く、運転者は知らず知らずのうちにスピードを出してしまう(スピードが出ていることに気付きにくい)と言われています。

それにしても、165ミリ幅、80扁平の13インチタイヤでスピードリミッター付近まで飛ばすのは、傍から見ていても怖いです。まさに狂気。運転者がそれに気付きにくいというのも(見ている人が感じる)怖さに拍車をかけます。

高速道路以外でも

これらの車種の傍若無人ぶりは、一般道でも目に付きます。スピード超過は言うに及ばず、無理な割り込み、車線を縫うような追い越し、煽り運転、タバコのポイ捨て。最早、なんでもアリ状態です。

こういった行為に及ぶ背景として、「自分の車ではない」ことが挙げられるかと思います。自分のモノではないので、雑に扱ってもなんとも思わないのです。どんなにガソリンを無駄にしようとも、どんなにタイヤをすり減らそうとも、自分の懐は全く痛みません。全て会社の経費です。

会社の看板を背負ってるという自覚を!

大抵の社有車・営業車には、その企業の社名やロゴなどが貼り付けられています。そんな車で暴走行為をすれば、会社の顔に泥を塗るのと同じです。会社にクレームが入るならまだマシです。多くの場合は、クレームを入れるよりも、二度とその会社には関わらないようになります。

街中など、人目に触れる場所を走行するわけですから、社有車や営業車も、広告という役割が少なからずあるはずです。マナーの良い、思いやりのある運転をすれば、企業のイメージもアップするかもしれません。

もう少し会社の看板を背負っているという自覚を持ち、尚且つ、就業中ということも忘れないで運転してほしいものです。

それでは、良きカーライフを。