完全なる自動運転に向けて、全世界が急速に動き出している昨今、実現できる・できない、は置いておいて、妄想を膨らませながら突き詰めて考えてみると、自動運転車を作るメーカーは現存する自動車メーカーじゃなくてもいいんじゃない?
・・・というお話。
全ての車が完全な自動運転だったなら・・・
遠い未来、いやもしかしたらそう遠くない未来、全世界の車と呼べる車が、全て自動運転車だったなら・・・ということを考えてみます。
膨大なインフラ整備費を捻出するには
完全な自動運転を可能にするには、車単体の開発では実現できません。
どこでも高速でつながる通信網を整備し、全ての道路を自動運転に最適化して、交通のすべてを管制するシステムが必要です。
車自体も通信機器を備えたり、高度なセンサー類を装備したりしなければいけないかもしれません。
膨大な費用を捻出するには、大量生産によるスケールメリットを生かせるモノ=車を極限まで低コスト化する必要があります。
車種は一種類でOK
自動車メーカー各社が競い合い開発してきた車も、極限までコストカットするなら、全てを同じパーツで生産すれば、生産設備も一本化できます。
保守パーツもすべて共通なので、どこでもすぐに入手可能になります。
自動運転に求めるものが、「楽に・快適に・安全に移動できる乗り物」とするのなら、飛びぬけた性能も、美しい外観も、所有する歓びも一切不要です。
同じ色の、同じ形の乗り物が整然と走行している・・・そんな未来。
一人乗りで十分
そもそも、完全な自動運転であるなら、運転免許証も必要ありません。
子供からお年寄りまで、一人分の荷物と本人が乗車できるだけのスペースがあればいいのです。小型化でとことんコストを削りましょう。
小型化によって、従来の一車線に3台横並びで、整然と走行できます。
強固なボディも不要
全ての車を完全に集中して管理していますので、事故は絶対に起こりません。そうなると乗員を守る強固なボディも不要になります。
最低限、快適に移動したい・・・というニーズはあるかと思いますので、乗車スペースを囲う屋根とボディ、荷物を積むスペース、エアコンなどがあればOKです。
四輪である必要すらない
一人分の乗車スペースなのだから、四輪である必要もありません。
倒れないバイクもあるくらいなので、こうなるともはや車の原型をとどめていないかもしれませんね。
内燃機関も不要
一人乗り、小型化、軽量化は、エンジンすら不要とするかもしれません。
軽量化によって駆動エネルギーはモーターで十分まかなえます。街のいたるところで急速充電できるようになれば、エンジンもガソリンも不要です。
未来の自動車メーカーは?
ここまでくると、べつに自動車メーカーが作らなくてもいいのではないか?と感じてしまいます。
複数の会社である必要すらありません。みんな同じものなので。
とはいえ、物流のことを考えると、トラックやダンプカーなどは必要となってくるでしょう。もちろん自動運転のトラックやダンプカーですが・・・。
いまある自動車メーカーが皆、生き残ったとしても、販売している車はどこも同じ。違うのはボディについているエンブレムだけ・・・なんてことになるかもしれませんね。
なにやら極論っぽくなってしまいましたが、こんな車の未来、あなたはどう思いますか?
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それでは、良きカーライフを。